間に合いますか?
|勉強一般
「間に合いますか?」
時々生徒や親御さんに、このように聞かれることがあります。
要するに「今の学力で志望校に合格できますか?」「このペースで勉強していて、志望校に合格できますか?」という意味の質問かと思います。
商業主義の塾であれば「はいはいー!まだまだ間に合いますよー!!」とか言って勧誘するようなマニュアルがあるかもしれません?が、現実は「そんなん聞いてどうするねん」という話です。
「間に合いません」と言われたら、諦めるのでしょうか?それとも勉強のペースを上げるの?
「間に合います」と言われたら、ホッとして勉強のペースを抜くのでしょうか?
間に合うか間に合わないかは「最後までやってみないと分からない」のです。今がどうであろうと、本番まで全力で勉強を頑張るだけなのです。
一方、塾で授業していると「間に合わねーよ、それじゃあ。。。」と思わされることも時々あります。※本当の手遅れになる前に色々言ってますケドね。。。
「自分の現状」と「目標」までの距離を考えて過ごしている人が、果たしてどのくらいいるのでしょうか?
多くの方に関係するであろう、尼崎の公立高校受験の話をしましょう。
今年も、過去にも書きましたが、現在の兵庫県は「学区制」という入試システムをとっていて、決められた学区内であればどこの市の高校でも受験することができます。
尼崎は「第二学区」に属しており、他には西宮市、伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、篠山市、丹波市、川辺郡が第二学区となっています。
地理的なことを考えれば、お隣の伊丹市、西宮市の受験生がライバルとなり得ます。なり得ます、というかもうなっていて、近年は倍率から見ても尼崎市の境にある高校(稲園、尼北、市尼、双星)には、伊丹・西宮からも受験生が多く来ていると推察されます。
一昔前の「総合選抜制」のように、「尼崎市内の学生だけで勝負して、ほとんどの学生がどこかしら市内の公立高校に行ける」わけではないのです。
各高校の受験人数は毎年流動的で、昨今は倍率が毎年のように変動します。学区制が導入されて約10年経ち、自分の住んでいる市以外の高校にも目を向ける方が増えてきています。
「昔はあまり勉強せずともどこかの公立高校には入れた」←もう制度違いますよ
「兄・姉はそれほど勉強しなくても合格していた」←もう状況変わってますよ
こういった過去の経験が成り立たなくなっているのが最近の公立高校受験です。
では、どのくらいの成績や学力であれば、尼崎市内の公立高校に志望校に合格できるのでしょうか?
おっと、その前に兵庫県公立高校の入試システムについて少し。
兵庫県の公立高校入試は「本番の得点」と「内申点(通知表の成績)」が半々で得点換算されて合否が決まります。※成績については詳しい計算方法はあるのですが、ここでは割愛します。計算式はありますが、実際の数字は学校の先生が持っていますので参考程度です。
通知表が悪いと、本番の試験だけで挽回するのは難しい制度です。
では、「尼崎市内の公立高校受験」のボーダーについて。※あくまでも当塾長の推察です。かなり精度は高いと思いますが。
当然ながら志望校ごとに違いますが、まずは分かりやすい下限から。
①「通知表で「2」以下が3つ以上」あると、成績面で極めて厳しいです。
②「定期試験で200点未満」であれば、実力面で厳しいです。
特に①の場合は、学校の先生からもストップがかかるでしょう。本番で挽回すればいい、と思うかもしれませんが、そもそもそんな学力があれば成績もそこそこ良いはずです。
上記の①、②はあくまでも最下限のボーダーです。
「もっと上位校を狙いたい」というのであれば、成績も実力を向上させなければいけません。
具体的には、
③「オール3」では学校を選ぶのはまだまだ難しいと思われます。「4」が少しは入ってこないと自信を持っては推せないかなぁ。
④評定平均「3.5」くらいなら成績面は中堅高はいけそう。でも実力も必要になってくるから、あとは五教科の学力次第。
⑤「オール4」くらいなら尼北が狙えそう。やっぱり本番の得点も大きく関わるので実力はいるけど。稲園を目指すならもっと「5」が必要。
といった具合です。
まとめますと「行きたい高校に合格したければ、それなりの成績を取り、学力をつける必要がある」ということです。
厳しくなったかもしれませんが、「実力のある者が希望の進路に進める」という健全な体制になってきたと思います。
ところが学生も保護者の方も、上記の「学区制」も知らない・理解していない方が時々いらっしゃるようです。
そして「まだ志望校が決まっていないので・・・」と仰る。その成績だとそもそも行ける学校限られてくるんだけどなぁ。
「志望校が決まったら頑張る」とか言いますが、中3になって「オール2」とかの学力で挽回できるでしょうか。
そうして中3も二学期になり、いよいよ目の前に受験が迫ってから「間に合いますか?」と言われても、時間が足りないのは明白です。
上記の①~⑤を読んで、志望校と今の実力に乖離があるのなら、今すぐ勉強に意識を向けて学力をつけていく必要があります。
そもそも志望校が無い方は、受験が迫るまでに考えてみてほしいです。
大学受験の話も書こうと思っていましたが、長くなったので過去に書いた記事のリンクを張っておきます。
ここまで長々と「公立高校受験」について書きましたが、「大学受験」は根本的にルール・仕組みが高校受験とは違います。
これを早い段階で理解し、具体的な勉強につなげられるかが肝です。
ありがたいことに、この記事を読んでいただいた方へ最後に質問です。
今のままで「間に合いますか?」