センター試験、本当に受けますか?
|大学受験
前回は中3に向けた内容だったので、今回は高3に向けて。
タイトルにある通り、センター試験についてです。
受験生は1月中旬にセンター試験がありますね。
この試験は受験生全員が必須というわけではありません。ところが間違った情報を得たために、必要が無いのに受けてしまう生徒がいます。
センター試験、本当に受けますか?
まず、国公立大学を受験する人は必須です。受けてください。
二次試験に向けた持ち点となりますので、全力で受けてください。
ここまではいいとして、では私立大受験の人はどうでしょう?
私立大学には「推薦入試」「センター利用」「一般入試」と色々な受験方法がある大学が多いです。
「センター利用」というのは「センター試験の結果だけで入試の合否を決める」というものです。
そして、よくこういった趣旨の言葉をよく聞きます。
「センター利用でも受験した方が、受験チャンスが多くなる。だからセンター試験を受けた方が良い」
いいですか。ハッキリと言いますよ。
「私立大学を志望する人はセンター試験を受ける必要はありません」
その理由は明白です。
まず「センター利用入試」ですが、この制度で合格するには、おおよその大学ではセンター試験で7~8割は最低でも取る必要があります。
「センター試験7割」と聞いてどう感じるでしょうか。
「センター試験は教科書中心の基本問題なんでしょ?7割くらいいけるのでは。」なんて考えていませんか?
結論から言いますと、センター試験7割というのは極めて難しいです。
センター試験は「教科書レベル」ではありません。教科書の内容を自由自在に使いこなせて、初めて7割8割を目指せるくらいのレベルです。
こんなに難しいことをするくらいなら、一般入試に向けて集中して勉強した方が良いです。
そもそもセンター試験で7割とれる学力があれば、大半の私立は一般受験で合格できます。
待って待って。でも一応勉強しておいて、ダメもとで・・・なんて方もいそうです。
ダメもとで7割取れるのならだれも苦労しません。
それに、センター試験は「科目数」「問題形式」や「難易度」が私立の一般入試とは異なるので、一般的にセンター試験の勉強は私立大一般入試の勉強の役にはほとんど立ちません。たとえば、国語の漢文や英語のリスニングはセンター試験にはありますが、私大一般入試ではほぼありません。
ダメもとで・・・なんて考えて受験するのは、受験料と時間の無駄です。むしろ合格率は下がります。
そもそも「センター利用」というのは、国公立大を受験する生徒が第二志望などで主に利用する制度です。
こういったことを理解せずに大学受験に挑むのは、ルールを知らずにスポーツをするようなものです。
ところが学校では真逆の進路指導が行われていることが多々あります。
先程の「センター利用でも受験した方が、受験チャンスが多くなる。だからセンター試験を受けた方が良い」というのもちょこちょこ耳にします。
おそらく「センター試験」をよく分かっていない先生が、こういったことを言ってしまうのでしょう。
学校側としても「センター試験、○○人受験!」などと打ち出せば、進学に力を入れているようなアピールが出来ます。
生徒の側も良くわからないので、なんとなく「学校の先生に従っておけばいいか」となってしまう。
そして必要のない勉強・受験を強いられて時間をとられ、挙句の果てに一般入試での合格率も下がります。
では塾はどうか。
残念なことに、同じようなことを言っている塾もあるようです。
これもあろうことか「センター試験をよくわかっていない塾の先生」が「悪気なく」「なんとなく」言っているケース。
また、センター試験を受けてもらえれば「センター試験対策講座」など追加で講座を受けてもらえて利益になる、ということもあるでしょう。
当塾でも私立大志望者に「センター利用」について聞かれましたが、上記の理由から「一般に集中した方が良い」と伝え、受験しないことになりました。
センター試験を受けたことがある人なら当たり前のことなのですが、仕組みを良く分かっていないと大変なことになります。
ここまで読んで頂いて、もう一度尋ねます。
センター試験、本当に受けますか?