罠だらけの進路指導

|大学受験

ようやく全学校の定期テストが終わり、続いて学校では受験生の進路相談が行われるようです。

その進路相談ですが、疑問に思うことが毎年少なくありません。

特に(進学を押し出している)公立の高校生です。少し前の記事で高校生へ向けて大学受験の本質を書きましたが、どうも理解できていない方が多いように感じます。

 

最近、私立大学を志望している高校生の保護者とこんなお話しをしました。

保護者「学校で共通テスト模試の案内が来ていて、受けるように言われています。」

私「共通テストは国公立志望の学生が受けるものなので、その模試は私立大志望の方は必要ないと思いますが。」

保護者「でも学校から受けるように指示があり、周りも受けるようなので…」

 

その高校の生徒に聞くと、どうやら進路指導に使えるデータを先生がほしいらしく、お金まで取って受験を勧めているらしい。

「共通テスト」と「私立大学の入試問題」は難易度も問題内容も異なります。そして私立大志望者以外の国公立志望者も大量に受ける模試で、果たして正確な判断が出来るでしょうか。

まぁ模試自体が全く役に立たないかというとそうでもない(かもしれない)ので、百歩譲って模試は受けてもいいかもしれません。

ところが詳しく聞いていると「私立志望者に1月の共通テストの受験も勧めている」とのこと。

昨年も書いたのですが、ほとんどの私立大学志望者に共通テストの受験は必要ありません。

理由は昨年書いた記事に載せていますのでご一読ください(コチラ)

「センター試験」のところを「共通テスト」に変えて読んでもらって差し支えありません。

どうも「共通テスト利用で受験機会が増え、合格チャンスが増える」ということを言われているようです。

一つ、具体例を挙げましょう。

共通テストには国語に「漢文」と英語に「リスニング」があります。ほとんどの私立大にはありません。

共通テストでしか使わない漢文やリスニングの勉強をするなら、その時間を一般入試の勉強に費やした方が遥かに合格率が上がります。

 

「記述模試」はどうか?

これも私立大志望の方にはほぼ必要ありません。

関西圏で有名な私立大の「関関同立」「産近甲龍」の入試問題はほぼ「マーク式」です。関関同立の一部に、記述が少し混ざっている程度です。

その他の私大の多くもほぼマーク式です。自分の志望校の過去問を見れば、記述対策が必要かが分かります。

少し混ざっている程度なら、記述模試など受ける必要はありません。

 

高校コースを本格的に始動して早3年。

噂には聞いていましたが、高校での進路指導に解せない内容が非常に多い。

その進路指導によって、大学受験の知識が乏しい生徒・保護者がミスリードされているといっても過言ではないと思います。

このブログを読んでいて「どうもこのままではいけない」とか何かしらの違和感を感じている方がいたら、お話しだけでもしたいものです。

無名塾の教室長がいくら本質を説いたところで、むなしく響くだけかなぁ。。。

 

少しだけヒントですが、では具体的にどうすればいいのか?

①志望大学の過去問を見て、どのような問題が出ているか把握する⇒②その問題を解けるように勉強を積み重ねる

当たり前やん。。。と言いたいところですが、志望大学の出題問題をきちんと把握している学生が果たしてどれだけいるでしょうか。

受験まで約半年。3年のこの時期になって、まだ志望校を考えていないとかなら、はっきり言って論外です。

高1、高2の皆さん。少し前にも書いていますが、高校は中学時代とは違いますよ。

進学を希望しているなら、出来るだけ早い段階で進路の方向性を決め、対策を練らないとどんどん手遅れになります。

 

当塾生には高1から大学受験の正しい考え方、志望校・学部の選定、それに基づいた勉強法を段階的に伝えています。

まぁ、響いている生徒とそうでない生徒がいるのが現状ですが、塾生には(小学生も中学生も)何が正しいことなのかを自分で判断できる力を付けてほしいと願っています。