私立中学の注意点
|勉強一般
前回は公立中学について書きましたので、続いて私立中学について。
私立中学と書きましたが、中高一貫校と考えていただいて良いです。
私立中学では公立中とは異なり、国が作る学習指導要領に沿って授業を進める必要がないため、ほとんどの学校が独自のカリキュラムや教材を用いています。
これまで様々な中高一貫校生を指導してきましたが、各教科の進め方や教材の種類など、本当に千差万別です。
そして多くの学校では、大学受験を視野に入れた難易度・スピードの授業が組まれています。
学習内容・学習環境を考えれば、公立中学よりは充実している点が多くあるのは事実です。
ですが、いや、であるが故に、注意すべき点が生まれます。
授業内容が難しく、進むスピードが速いということは、「一度つまずくと挽回するのがより難しい」ということです。
分かりやすく数字で表すなら、授業のレベルを10段階として
公立中⇒レベル「4~6」の授業
私立中⇒レベル「7~10」の授業
が行われていて、生徒のレベルが「3」だとした時に、どちらが挽回するのに時間がかかりますかということです。
中学受験が終わり、ほっとしたのも束の間、大学受験を視野に入れた学習が中1から始まります。
ここで上手く波に乗れればいいのですが、授業のスピード・難易度や課題の多さやに面食らう生徒を多くみています。
そしてその流れを引きづったまま過ごしてしまうと、どんどん訳が分からなくなり勉強が嫌になる、なんてことはよくある話です。
自分のレベルに合った学習をすること、自分に合った学習方法を確立することが重要なのは、私立中であろうが公立中であろうが変わりません。
ところが学校から与えられる授業や課題が「難関大受験」を視野に入れたものであるため、上記の本質を見落としやすいのです。
余談ですが、上記の内容は公立中から私立の進学校に進んだ学生にも当てはまります。
公立の標準的なカリキュラムから、中高一貫校生に追いつくために急にハードなカリキュラムが高校で始まります。
公立と私立のどちらが良いとか悪いとか、そういう話をしているのではありません。
大切なことなのでもう一度書きますが、自分のレベルに合った学習をすること、自分に合った学習方法を確立することが重要なのは、私立中であろうが公立中であろうが変わりません。
「私立に通って難しい勉強をしているから大丈夫」ってわけじゃないですよってことです。
そして最終的には大学受験へとつながっていくわけですが、ここでは更に本質に目を向けられるかが重要になってきます。
次回に続く!