最近の大学入試②
|大学受験
前回に引き続き、大学入試ネタです。
今回は来年から施行される「大学入試改革」についてです。
これまでの「大学入試センター試験」を廃止し「大学入学共通テスト」に変わります。
具体的な変更点には
① 英語に民間の検定試験を導入する。
② 国語・数学のテストに「記述式」に問題を導入する。※数学の文章の記述問題は初年度の見送りが決定
といったものがあります。
変更理由として発表されているのは
・英語においては「読む」「書く」だけでなく、「聞く」「話す」も加えた4技能を評価するため。
・マーク式だけでなく記述式を導入することで「思考力・判断力・表現力」を活用させる。
といった内容です。
しかし残念ながら今のところ、いたずらに混乱を招いてしまっているだけように映ります。
以下、それぞれ現状です。
① 英語に民間の検定試験を導入
まず「英語の民間試験」には次のものがあります。
・英検、GTEC、ケンブリッジ英検、TOEFL、TOEIC、IELTS、TEAP ※TOEICはすでに検定試験から外れています。
「なんじゃこりゃ?」って感じの方も多いと思います。
正直に、学校の先生も塾業界でもよほどの英語マニアな方でない限り、全ての詳細を知る人はほとんどいないと断言できます。
と言いつつも現状は「英検」と「GTEC」に絞っている学校がほとんどです。
理由は「英検」「GTEC」以外の検定試験は、例えば「TOEICはビジネス用の英語」「TOEFLは留学用の英語」のように特化している部分が従来の高校英語と異なる部分が多いためです。
※英検は共通教育テスト用のものがあるのでご注意ください。最近、高校で受験登録の開始がありました。
その英検でも「受験会場が少なく居住地域によって有利不利がある」などまだまだ問題は山積みです。
注)令和6年度まで導入の延期が決定されました。
② 国語・数学のテストに「記述式」に問題を導入
こちらは早くも「数学」で記述式の導入が見送られました。
理由は、プレテスト(試行調査)で正答率が低すぎたためです。
また国語でも記述式では自己採点がしずらく、自分の得点がいくらか把握しにくい欠点があります。
「記述問題」は国立二次や難関私大の試験ならあるので、それを「共通試験」で導入する意図がイマイチ分からない。
現に「記述問題の得点は考慮しない」と明言している大学もいくつか出てきています。
①、②以外にも「学校の調査書が受験の配点に入る」などがあります(そもそも高校ごとに偏差値が違うのにどうやって比較するのだろう)。
とまぁ問題が山積しているなかで2020年を迎えるわけですが、大切なことは「本質」を見失わないこと。
本質は二つ
・自分が受ける大学にどの試験がどのように必要か把握すること。
・自分の学力を上げること。
例えば、そもそもの話にはなりますが、私立大学志望の方は「大学入試共通テスト」はあまり関係のない話です。
「英検」などの外部認定試験にしても「どの程度配点に関わるのか」は大学ごとに異なります。
またそもそもきちんとした学力があれば、検定試験が導入されようが記述式が導入されようが、受かる人は受かります。
情報を仕入れることはもちろん重要ですが、頭でっかちになって本質を見失わないように気をつけましょう。