数字と本質
|受験一般
昨日、高3生が一名、大阪経済大学に推薦入試で合格しました。
こちらの大学の推薦入試ですが、学部によっては非常に倍率が高く、4~6倍前後の倍率になっています。
また、学校で受ける模試ではずっとE判定(合格率20%以下)で、「合格できるとは思っていなかった」と保護者の方からもご連絡をいただきました。
しかしながら、7~8割以上で合格できるだろうと私は考えていました。
なぜか?
それは、受験する大学によっては倍率や模試の判定はそれほど当てにならない、ということ分かっているからです。
まず倍率からですが、私立の推薦入試には「他大学の滑り止め(第二志望以降)」として受験している人や、ロクに勉強・対策もせず「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」と手あたり次第に出願している人がけっこういます。
要するに倍率だけ見たら凄く競争率は高そうだけれど、きちんと準備すれば本当のライバルはもっと少ないってことです。
次に模試の判定ですが(これは少し前にも取り上げましたが)、学校で行う進研模試の判定はほとんどの高校生にとって参考になりません。
なぜなら、「進研模試」と「実際に受験する大学」の問題難易度や形式が全く異なるからです。
進研模試の難易度は、「大阪公立大、神戸大、関関同立クラスの大学を合格できる学力があって、太刀打ちできるかどうか。」くらいです。
公立中学校⇒公立高校と進んだ学生の方で、初めから上記のような実力のある方は珍しく「めっちゃムズイ。。。全然できんやん。」とほとんどの方がなります。
でもご安心を。あんなに記述形式の多い問題が出る大学は限られています。そのような模試で全大学の合格判定を出すこと自体に無理があると、まずは気が付いてほしいです。
昨年も、とある公立高校に通う塾生が学校の面談で「どれもE判定で、受けられる大学が無い」と辛辣な言葉をかけられたそうなのですが、ちゃんと合格を勝ち取ることができました。
高1、高2生は最近模試の結果が返ってきたようで、まぁみんなDやらEやらが多いです。が、気にするところはそこじゃありません。
本質は倍率や合否の判定ではなく、「入試問題(過去問)を解いて合格点が取れるかどうか」なのです。
そのためにはどのように勉強していけば良いか。それを考えるのが受験勉強なのです。一人一人、個別に話しましたが、計画通りコツコツと勉強を進めてほしいです。
中3生の高校受験も同じことが言えます。
当塾では「兵庫V模試」を受けてもらっていますが、あの判定も志望人数が加味されていなかったり、またあくまでも「模試を受けた時点の学力」を示しているものなので、絶対的なものではありません。
そして出願が決まったら、実力を上げることに全精力を注いでください。これから受験までの問題演習でまだまだ伸びます。
ということで「倍率5倍、難しそう」とか「E判定(合格率20%以下)とかもう無理やん」とか、数字にとらわれることなく、本質に目を向けられるようになりましょう。
(「感染者(PCR陽性者)増加!」とか「感染率○○倍!」とかではなく、今までの風邪やインフルエンザと比較して重傷者・死者数はどうか、と本質に目を向けて議論してほしいです。)