求められている「思考力」

|勉強一般

先日の「大学入学共通テスト」は過去最低の平均点という結果になりました。

特に数学Ⅰ・Aは37.96点と最も低く、その問題がネットニュースでも話題となりました。

ですが、私の見る限りですが、巷で言われているような難問・奇問が出たわけではないと思います。

 

確かに文章が長かったり、取っつきにくい部分はあったと思います。また、「このような問題を共通テストで課す意味はあるのか」という議論もあっても良いと思います。

ですが、問われていることは習った範囲内のことであり、要は「文章を式にする力」や「知っている公式を運用する力」が足りない受験生が多かった、ということだと思います。

小中高生、すべての学生に言えることなのですが、「意味を理解せずに」解法を暗記しているだけでは問題が解けるようにはなりません。それだと同じような形式で問題がでなければ、応用できずに歯が立たないのです。

小学生では、割合の計算。中学生では、扇形の面積や弧の長さ。

一つ一つの式の意味を、理解して立式して解いているでしょうか。

与えられた問題を機械的に解くのではなく、「何故、そうするのか」を考えるのが、今問われている「思考力」だと思います。

 

一方で、こういった「思考力」は本来は一朝一夕には身につかないものです。

大学受験になるまでに「物事をどう考えて生きてきたか」ということに、深くつながっているのだと思います。

「頭を使う癖」といってもいいかもしれません。

「とりあえず周りと同じようにやっておけばよい」「解答しか書く必要がないから、やり方を丸暗記」

こういった考えで高校生まで過ごし、いざ大学受験で「思考力」とか言われても対応に窮する方が多いのではないでしょうか。

 

そういった教育システム上の問題点があるなかで、個別指導塾として「一人一人にきちんとした物事の考え方を伝えていく必要がある」と改めて感じた共通テストでした。