「オンライン学習」について思うこと
|勉強一般
緊急事態宣言が発令され、学校は休校が続いています。
当塾は一部オンライン授業を設け、通塾日数を絞りつつ営業しております。(当塾の現状の方針についてはコチラ)
今日はそのオンライン学習について。
休校が続く現在の状況を受けて「家でオンラインで授業を受けられるようにしてほしい」との声があちこちから、ネットの書き込みでも聞こえてきます。
その声について私が思うことは二つ。
「簡単に言わないで。」
「今まで何しとってん?これから頼みますよ。」
それぞれ補足します。
「簡単に言わないで。」
先程書いたように、休校が続いていますので「学校にもオンライン(映像)授業を導入してほしい」という意見があるのは私も良く分かります。
ただ、そうおっしゃる方に、現実問題なかなか難しいということは知っておいていただきたいです。
まず、オンライン授業を行うためのプラットフォームを整える必要があります。
つまりは「授業を視聴できるネット環境」と「端末(タブレットやパソコン)」が必須になります。
このご時世ですから、多くのご家庭が両方ともあるのかもしれませんが、無いご家庭もまだまだあるのが事実です。平等性に欠けてしまうという現実がまだあります。
ではネット環境と端末さえあれば授業になるか、というとそんなに簡単ではありません。
映像授業ということはそばに先生はいませんから、寝てしまってもボーっとしていても誰も注意してくれません。
長く塾講師をしていますが、対面授業ですらまともに集中できない生徒も多いのが現実です。勉強内容が理解できるとか、そういったこと以前の問題の生徒もいるのです。
学校で取り入れようものなら、授業など全く見なかったり、端末を使って授業と関係なく遊んだりと、まぁおおよそ出てくるであろう現場の問題は容易に想像できます。
当塾も映像授業を取り入れていますが、映像授業(オンライン学習)の良し悪しを理解した上で使わなければ「学力を向上させる」という本質的な目的は達成できません。
「ハード面にしてもソフト面にしても課題はあるから、簡単に言わないで。」と思う部分はあります。
ただし「授業のオンライン化」には私は全面的に賛成です。
そこでもう一つの「今まで何しとってん?これから頼みますよ。」と言うのは日本の教育関係の中枢の方に言いたい。
インターネットやパソコンはかなり前から普及していますが、学校の授業の形式は私が学生だった頃とほとんど変わっていないように感じます。
プラットフォームはかなり前からあったのに何十年もそのままで導入してこなかったから、この度の長い長い休校に対応できていない学校が多くあります。
これを機に多くの学校でオンライン学習を取り入れていってほしいです。そのためには、公立の学校は特に、国の後押しが絶対に必要です。
今回のコロナ問題を機に、社会の在り方が考え直されると思います。
かなりの痛みを伴うことになりそうですが、最終的に日本社会が良い方向に向かっていくことを願っています。