私立校の注意点
|保護者の方向け
・私立高のメリット
中・高一貫校、あるいは小・中・高一貫校などの「私立校」は、一般的にはほとんどの面で公立校よりも優れています。
校舎などの施設面はもちろんですし、学習面においては国の作成する学習指導要領に沿う必要がないので、高い自由度を持って授業を進めることができます。
時間割も公立より多めに組まれていて学習進度も早く、応用問題にもしっかり取り組むので、大学受験に向けて余裕をもって準備することができます。高校までの成績次第ではありますが、「○○大学付属」というような、大学まで進学できる学校もあります。
まぁその分もちろんお金はかかるですワケですが、これだけ聞けば「良いことづくめやん」と思われそうです。
でも、そうではありません。
・私立校の罠
①授業が難しすぎる
下位3割の生徒が確実に陥っているのが「学校での授業内容が難しすぎてついていけない」ということです。公立と同じことが私立でも起こり得るのです。
まぁ当然といえば当然の話で、私立であろうが公立であろうが1クラスに30~40名はいて全員の学力は異なるのですから、同じ授業をしていたらついていけない生徒が出てくるのはある意味当たり前です。
ただ、公立校と決定的に異なるのが、先述の通り公立校は国の学習指導要領から大きく外れることはありませんが、私立は独自のカリキュラムで進めることができるので、内容はどんどん難しくなりがちです。そうなると、学習についていけない生徒は公立校以上についていけないことになります。
そして私立校においては、高学歴の先生が難問奇問を交えたマニアックな授業を展開しているのをよく見かけます。
②課題が多すぎる
①と連動していますが、課題が大量に出ている学校をよく見かけます。
学習内容が難しくなれば、自学の時間を多くとってほしいというのは分かりますが、それにしても多すぎるのをしばしば見かけます。
仕事をしている保護者の方ならわかると思いますが、あまりに多くの仕事を振られて締め切りに迫られたらどうします?
内容はともかく「終わらせる」ことが優先になって、中身がないものになりませんか?
私立校の生徒を見ているとこのパターンをよく見ます。
「いや、お前さっきから理解してんのかいっ」って話です。
でも生徒からすれば、「終わらんからしゃーないやんけ!」って話です。
そして恐ろしいことに、こうなっている生徒は宿題の難問題よりも遥か手前の内容=基礎が理解できていないケースが多いです。
①②ともに言えるのが、「各科目の先生が好き勝手に学習を展開し、全体の統率が取れていない」ということかと思います。1科目あたりそんなに多くの課題を出したら、こなしきれるわけないやんけって思うのです。
個々人の学習全体を管理するようなポジションが学校にあればいいのですが・・・
③周りから見た生徒の状況
そんなお子様は一見すると「サボっているのでは?」と周りの人間は感じてしまいがちです。
やってもやっても宿題が終わらず、成績が上がらない。
いや、宿題はやっているようだが頭に入っていない。きちんと考えているのか?
家でリラックスしている時間も見られる。もっと勉強時間を取るべきではないのか?
でも、本人はいっぱいいっぱいであるケースが多いです。
学校の授業を聞いていても早すぎて分からない。でも宿題は毎週のように出るからこなさなければいけない。やっつけ仕事でも時間がかかり、自分がわかない個所をじっくり考える暇がない。
自分が理解しているのか、していないのかもわからない。
学習時間についても、中学生になりたてくらいでは、自分で自分を律して勉強時間を確保するのは多くの生徒にとって非常に難しいです。この点において、公立校・私立校の学生に大きな差はありません。
・対処法はあるのか
あります。現状を理解して、(プライドや見栄を捨てて)基本から学びなおすことです。
これ以外にありません。
ところが毎日毎週のように進度が早い授業を受けては宿題が出るため、考え方を含めた軌道修正をするのが非常に困難です。
と書きましたが、当塾に通ってくれている学生のほとんどは基本に立ち返り、改善の兆しが見られます。
本人と保護者の方が考え方さえ変えてくれれば、もともと私立に入学できる能力はあるのですから、改善できる可能性も十分にあるわけです。
・子供の適性をよく見る
どこの学校に通わせようとも、お子様の適性をよく見て進学先を選ばないといけません(皆さんに言えることですが)。
特に私立校は、学校ごとの特徴が色濃く出るので、受験前に学習の様子をできるだけ把握しておくことが大切です。
でも、入ってみて気づくこともあるかと思います。
もし学校の学習についていけないのであれば、その難しさ故、自力での解決は困難です。
そうなったら、塾などに頼ってください。
分からない問題を分からないままでいたら、いつまでもできるようになりません。
そして目の前の勉強内容だけでなく、もっと視野を広く学習をとらえる必要があります。
当塾ではそういった話もしています。