私立校の注意点

|保護者の方向け

前回は公立校の問題点(といっても昨今の世の風潮も含まれていましたが)について書きました。

では、学習環境の良さそうな私立校(中高一貫校や付属校)では問題が無いかといえばそうではなく、むしろ場合によっては公立校より悲惨なことになりかねません。

 

多くの私立校は文科省の用意した学習指導要領ではなく、学校独自のカリキュラムで授業が進みます。

たいていの場合は公立校より難しい教材を使い、かつ速い進度で授業が進んでいきます。

だから、かなり勉強が得意とかでない限り、公立校よりも必死で勉強しなければどんどんおいていかれます。で、この「かなり勉強が得意」というのは、私の肌感覚ですが、進学校でも上位3割くらいに思えます。

要は半数以上の生徒が不完全燃焼のまま授業がどんどん進んでしまい、理解不足になっています。

結果として分からないから勉強もなかなか進まず、テストで点が取れずと負のスパイラルに入ります。

 

一度負のスパイラルに入ると、公立校よりも挽回するのは困難です。

先述の通り、進度が早く難しいからです。

ところがその様子を見ている保護者の方が、「ウチの子は頑張りが足りないのだ」と解釈してしまい、とにかく頑張れと発破をかける。学校の先生も「現状では厳しい」とか追い打ちをかける。そして本人は更にやる気を無くす。作り話ではなく、よくある話です。

実際のところ、確かに本人の意識が低く勉強が足りていないことは多くあります。

でも、いくら理解しようとしてもいきなり中級以上の問題を理解するのは困難です。

だから、初級レベルの問題からコツコツ解いて地道に理解させていく必要がある。

自分に合ったレベルの問題からじっくり取り組むのが効果的なのは、私立だろうと公立だろうと変わりません。

 

この状況が理解できず、学校から配られる中級~上級の問題集や、学校独自のマニアックな教材をいくら眺めたとて、学力は向上しません。

そしておそらくですが、少子化で昔よりも倍率は変わらずとも入学する生徒のレベルは落ちていて、にもかかわらず学校の授業レベルは落としていないことが問題の本質だと考えています。

上位層が上位の進学実績を作ってくれたら、学校としては万々歳なんです。知ってましたか?

 

こういった状況の生徒には、「自分の現状のレベル」と「学校の授業のレベル」を客観的に理解させ、自分のレベルに合った問題から解いていく必要があります。

このような現実的な解決策を提供するのも、塾の役割かと思っています。